2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の主人公、蔦屋重三郎（つたや じゅうざぶろう）。江戸時代の出版界を席巻し、喜多川歌麿や葛飾北斎といった才能を世に送り出した「江戸の天才プロデューサー」です。
「蔦屋重三郎ってどんな人だったのか知りたい」 「ドラマの舞台になった場所を実際に歩いてみたい！」
そんなあなたのために、この記事では蔦屋重三郎の生涯を分かりやすく解説しながら、東京に残るゆかりの地を巡る聖地巡礼の地をお届けします。おすすめのモデルコースも紹介するので、週末のお出かけの参考にしてくださいね。
2025年大河ドラマ『べらぼう』と蔦屋重三郎
まずは、多くの人が注目する2025年の大河ドラマ『べらぼう』の基本情報と、主人公である蔦屋重三郎について見ていきましょう。
大河ドラマ『べらぼう』のあらすじと見どころ
『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、親なし、金なし、読み書き能力なしの若者だった蔦屋重三郎が、江戸のメディア王として時代の寵児になっていく物語です。
舞台は、世界有数の大都市だった18世紀半ばの江戸。蔦屋重三郎は、貸本屋から身を興し、やがて出版プロデューサーとして才能を開花させます。喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、そして東洲斎写楽といった個性豊かな才能を見出し、次々と革新的な出版物を世に送り出しました。
ドラマの見どころは、蔦屋重三郎が既成概念を打ち破り、いかにして江戸の文化を盛り上げていったかという点です。彼の周りには、後の日本文化に大きな影響を与えるアーティストたちが集結します。彼らとの人間ドラマや、当時の社会情勢に立ち向かう蔦屋重三郎の痛快な生き様から目が離せません。
主演・横浜流星と主要キャスト
本作で主人公・蔦屋重三郎を演じるのは、人気俳優の横浜流星さんです。エネルギッシュで型破りな蔦屋重三郎をどのように演じるのか、大きな期待が寄せられています。
脚本は、NHKの連続テレビ小説『ごちそうさん』や大河ドラマ『おんな城主 直虎』を手掛けた森下佳子さんが担当。豪華なキャスト陣と実力派の脚本家がタッグを組み、新しいヒーロー像を描き出します。
蔦屋重三郎とは？江戸の天才プロデューサー
そもそも、蔦屋重三郎とはどのような人物だったのでしょうか。彼の生涯と功績を簡単に振り返ってみましょう。
吉原生まれで江戸文化を牽引した生涯
蔦屋重三郎は、1750年に江戸の吉原遊廓で生まれました。出自は定かではありませんが、厳しい環境で育ちながらも、持ち前の商才と先見の明で頭角を現します。
最初は吉原で貸本屋や案内業を営んでいましたが、やがて江戸の中心地である日本橋に進出。そこで「耕書堂（こうしょどう）」という書店を開き、出版業に乗り出します。
彼の店は、単なる書店ではありませんでした。黄表紙（きびょうし）と呼ばれる絵入りの小説や、洒落本、そして美しい浮世絵など、当時の庶民が夢中になるコンテンツを次々と生み出す文化の発信拠点だったのです。
喜多川歌麿や葛飾北斎を見出した功績
蔦屋重三郎の最大の功績は、多くの才能ある絵師や作家を見出し、プロデュースしたことです。
- 喜多川歌麿
美人画で一世を風靡した歌麿の才能をいち早く見抜き、専属契約のような形で数々の名作を世に送り出しました。
- 葛飾北斎
後の「富嶽三十六景」で世界的に有名になる北斎の若い頃を支え、活躍の場を与えました。 - 東洲斎写楽
わずか10ヶ月の活動期間で忽然と姿を消した謎の浮世絵師・写楽。彼の全作品を出版したのが蔦屋重三郎です。
彼は、アーティストの才能を最大限に引き出し、それを大衆が求める「商品」としてヒットさせる、まさに現代のメディアプロデューサーの先駆けでした。
通称「からまる」の由来
蔦屋重三郎は、その商才と人脈から「蔦唐丸（つたからまる）」という通称で呼ばれることもありました。
これは、屋号である「蔦屋」の「蔦」が、他の植物に絡みつきながら成長していく様子になぞらえたものです。彼が多くの人々と関わり、巻き込みながら大きな事業を成し遂げていった様子が目に浮かぶような、ぴったりのあだ名ですね。
エリア別！蔦屋重三郎ゆかりの地一覧
それでは、いよいよ蔦屋重三郎の足跡をたどる聖地巡礼に出かけましょう。彼の人生に深く関わる場所を、エリア別にご紹介します。
【吉原・浅草エリア】生誕と活躍の舞台
蔦屋重三郎の原点ともいえるのが、生まれ育った吉原とその周辺エリアです。
吉原神社（新吉原）
現在の台東区千束にある吉原神社は、かつて新吉原遊廓の中にあった複数の神社が合祀された場所です。蔦屋重三郎が生まれ育ったのは、まさにこの一帯。彼の幼少期や、最初に商売を始めた頃の活気を想像しながら歩いてみてはいかがでしょうか。
- 所在地
東京都台東区千束3-20-2 - アクセス
東京メトロ日比谷線「三ノ輪駅」から徒歩約15分
五十間道と「耕書堂」跡（新吉原）
蔦屋重三郎が最初に店を構えたのが、新吉原のメインストリート「仲之町」に面した場所でした。この店が、彼の出版人としてのキャリアのスタート地点です。現在、『江戸新吉原耕書堂』という名で、吉原に特化した観光案内や、お土産品の販売などを行っています。また、夜間はシャッターに描かれた浮世絵をライトアップしており、営業時間終了後もお楽しみいただけます。
- 所在地
東京都台東区千束4-24-12
【日本橋エリア】江戸の中心地の拠点
吉原で成功を収めた蔦屋重三郎が、次なる活躍の場として選んだのが、江戸随一の商業地・日本橋でした。
日本橋通油町の店跡（大伝馬町）
蔦屋重三郎は、日本橋の通油町（とおりあぶらちょう）、現在の日本橋大伝馬町に新しい店「耕書堂」を構えました。ここは、三井越後屋（現在の三越）も近く、江戸で最も情報と人が集まる場所でした。この地で、彼は歌麿や北斎の浮世絵を出版し、江戸文化の最先端を走り続けたのです。現在、跡地にはそれを伝える碑などはありませんが、江戸の中心地の賑わいを今に伝える街並みを歩くだけでも感慨深いものがあります。
- 所在地
東京都中央区日本橋大伝馬町周辺 - アクセス
東京メトロ日比谷線「小伝馬町駅」から徒歩すぐ
【関連人物】ゆかりのスポット
蔦屋重三郎本人だけでなく、彼と深い関わりがあった人物たちのゆかりの地を訪れると、より一層ドラマの世界観に浸ることができます。
平賀源内の墓（台東区）
発明家や作家として知られる平賀源内も、蔦屋重三郎と交流があった人物の一人です。彼の墓は、かつて総泉寺があった場所（現在は廃寺）に残されています。現在は東京都の旧跡として指定されており、静かな住宅街の中で歴史を感じることができます。
- 所在地
東京都台東区橋場2-22-2 - アクセス
JR常磐線・東京メトロ日比谷線・つくばエクスプレス「南千住駅」から徒歩約15分
聖地巡礼おすすめモデルコース選
「ゆかりの地は分かったけど、どうやって巡ればいいの？」という方のために、おすすめのモデルコースをご紹介します。
半日で巡る日本橋・吉原コンパクトコース
時間がない方でも楽しめる、蔦屋重三郎の主要な活躍の舞台を巡るコースです。
- まずは日本橋エリアにある東京メトロ「小伝馬町駅」 からスタート。蔦屋重三郎が江戸の中心で店を構えた「日本橋通油町の店跡」周辺を散策します。
- 日比谷線で「三ノ輪駅」へ 小伝馬町駅から日比谷線に乗り、約10分で三ノ輪駅へ。
- 三ノ輪駅から徒歩で吉原エリアへ移動し、吉原神社・耕書堂跡を散策。蔦屋重三郎の原点である吉原神社や、最初の店の跡地周辺を歩き、江戸時代の雰囲気に思いを馳せましょう。
時間に余裕があれば、平賀源内の墓にも寄り道が可能です。 - 三ノ輪駅に戻り、所要時間は約2〜3時間程度。気軽に聖地巡礼が楽しめます！
まとめ
今回は、2025年の大河ドラマ『べらぼう』の主人公、蔦屋重三郎のゆかりの地と、聖地巡礼を楽しむための情報をお届けしました。
- 蔦屋重三郎は江戸の天才プロデューサー
- ゆかりの地は主に「吉原」と「日本橋」エリアに集中
- モデルコースを参考にして効率よく聖地巡礼
ゆかりの地を訪れることで、物語を何倍も深く楽しめること間違いありません。この記事を参考に、ぜひあなたも蔦屋重三郎の足跡をたどる旅に出かけてみてくださいね。
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